最近よく聞くなんとなくわかりそうでわからない言葉「デザイン思考」
「HELLO,DESIGN 日本人とデザイン 」は、デザイン思考をわかりやすくて誰にでも扱えるように解説くれている素晴らしい本でした。
インプットだけで終わらせてしまうと、読んでもすぐに忘れてしまうで自分の感じたことをアウトプットしておきます。
デザイン思考とはなんなのか
デザイナーとは、問いを設定し、その問いを解決する人である
モノゴトに疑問を投げかけて問題を見つけ解決すること。この考え方の本質がデザイン思考です。
単純に聞こえますが、この本ではこのデザイン思考をどんな案件に生かしてきたか筆者の体験談を踏まえてすごく丁寧に説明されています。
デザイナーの仕事
デザイナーはお洒落でクリエイティブで独創的なイメージを持っている方もいると思いますが、現実はもっと地味な職業です。
デザイナーは、お洒落なのモノ/カッコいいモノを作る前に様々な視点からデザインを考えていきます。
- 誰に向けるのか
- なぜ必要なのか
- 何が必要なのか
- 他に手段はないか
- など
新商品のノートを宣伝する企画があるとしたら
- 何に使うのか
- どういった人が使うのか
- いつ使うのか
- このノートじゃないとだめな理由はなんなのか
- など
こういったことを考えながらターゲット像を具体的にしていきます。
誰のためになる商品なのかを明確にしデザインを作り上げていきます。見た目のデザインはこの問題を全て解決した後に始まります。
「デザイン思考」はモノゴトの本質から考えます。
- 商品開発をするとき
- サービスを提供するとき
- チームを組むとき
- 部屋を片付けるとき
- など
さまざまなところで役に立ちます。
日本人は昔からデザイン思考が得意
このタイトルにあるようにデザイン思考は日本人にとって馴染み深いモノ。
有名な逸話に、豊臣秀吉が織田信長の草履を懐に入れて温めた。という話がありますがこれもデザイン思考です。
草履をそのまま履いたら寒いという問題を解決しています。
日本人のはこういったサービス精神に馴染みすぎていて自然に聞いてしまいますが、海外にはこういった発想はなかなかないそうです。
御座敷の飲食店に行くと靴をしまってもらい、帰りには出してくれる。
当たり前のサービスに聞こえますが、
- 食べている間は不必要で邪魔
- →しまっておこう
- トイレのたびに出すのは面倒
- →スリッパなどを用意しておこう
- 食事が終わるとスムーズに帰りたい
- →すぐに帰れるように靴を出しておく
これもいくつかの問題を解決している立派なデザイン思考です。日本人は昔から当たり前にデザイン思考を使っていたのです。
ただこういったサービスをパッケージ化するのが苦手なのも日本人でした。そのせいで海外のイノベーションに負けた部分もあるようです。
イタリアかイギリスか
この先、日本はどちらになっていくかの岐路に立っていると書いていました。
職人気質で文化や歴史、モノづくりに特化したアート的な国「イタリア」
国単位でデザイン思考を取り入れクリエイティブ産業をパッケージ化した「イギリス」
イタリアはハード(モノ)、イギリスはソフト(創造)
極端な例えですが、素晴らしい歴史や文化を大切にしながらも創造していく国、新しいイノベーションを起こせるような日本にならないとこれからますます先進国との差が開いていきそうです。
とにかく主観が大事
デザイン思考には、主観が大切だそうです。
自分の主観に自信を持つには日頃からのトレーニング、自分に自信を持てるような日々を送ることが必要です。
自分の得意なジャンルを日々鍛錬することで自分の主観にも説得力や厚みが出てくるからです。自分を納得させることができないと主観に自信を持つことができません。
なにかの価値を誰かのために生み出す
物が溢れている時代、ハードよりもますますソフト面が大事になります。
普段からいろんなものを多角度から観察して柔軟な発想を常に持てるようにして、デザイン思考を鍛えていきたいです。